マレーシアで覚えておきたいマナーまとめ

マレーシアはマレー系、中華系、インド系が共存する多民族国家。

それぞれの民族は、文化、言語、宗教も異なります。全員が当てはまるわけではありませんが、マレー系はイスラム教を信仰し、中華系は仏教徒であり、インド系はヒンドゥー教を信仰しています。

歴史的に宗教の違いが国家間の争いの一因となりうることは間違いありません。

では、なぜマレーシアでは民族間の紛争が起きず、むしろ11年間連続で日本人が「世界一住みたい国」に選ばれ続けているのでしょうか?

 

 

その理由はマレーシア留学を通じて現地で学ぶのが一番ですが、「お互いの文化を尊重しあうこと」が理由の一つです。そして、文化を尊重するために、マナーやエチケットを理解することが大切です。

マレーシア留学を通じて、より多くの方々に世界で通用するマナーやエチケットを知ってもらいたいですね!

さて、マレーシアで最も多くの人が信仰するイスラム教は日本では少数派なので、本記事ではイスラム教のルールをメインにご紹介しようと思います。

宗教と食のタブー

宗教に食のタブーがあることが少なくありません。

イスラム教では豚肉を食べることが固く禁じられており、インド系が多数派のヒンドゥー教では牛を神聖な動物として食べません。また仏教も一部の宗派では牛を食べることがタブーになっています。仏教徒の中華系マレーシア人が営む中華レストランは日本と同じように、お酒も肉も楽しむことができます。

どの宗教の人々も共通して食べることができるのはラムとチキンですが、イスラム教の人々が食べるチキンとラムはハラル認証されたもののみになります。

「ハラル」とは何か

イスラム教を信仰する人々にとって食べることが許された食品のことを「ハラル」と呼びます。北米やマレーシアのような多文化の都市、イスラム圏へ行ったことがある方はたびたび目にしていると思いますが、ハラルだと認められている食品のパッケージにハラル認証のシールが貼ってあったり、レストランにハラルのマークを見つけることができます。

食のタブーは日本人である私たちが規制を受けるものではありませんが、「宗教によっては、食べてはいけないものや食べるためのルールがある」という知識を持っていてください。

ここからは、私たち日本人だからこそ気を付けなければマナー違反になってしまう行動についてご紹介したいと思います!

マレーシアなどで配慮する振る舞い

 

握手や食事は右手を使う

マレーシアでは信仰の自由が認められていますが、イスラム教が多数派です。イスラム教やヒンドゥー教では左手は「不浄の手」だと聞いたことがある方も少なくないでしょう。

しかし、左手は厳密にいうと左手は不浄ではなく、右手で食べるのが正しいとされています。握手や食事、ものを渡すときには右手を使うようにしましょう。

子どもの頭を撫でない

イスラム教やヒンドュー教では、頭に触ることがタブーとなります。イスラム教では頭は神聖な部分とされるので子供の頭をなでることは、日本と反対の意味になってしまいます。

子供の頭をなでることは、マレーシアだけではなくインドネシア、タイ、ミャンマーでも様々な理由で好ましくない行動となります。

指さし方に注意!

マレーシアでは、人や物を指さすときに、人差し指を立てることが無礼とされています。では、「あっちにありますよ」「それですよ」と指さすときにどのようすればよいのでしょうか?

右手をグーのように握り、そのまま親指だけを伸ばし対象を指さすようにしてください。

握手のマナー

初対面の女性に対して、男性から握手を求めることは好ましくありません。もしくは、マレーシアを訪れた日本人女性が初対面の現地男性へ握手を求めると、「僕に気があるのかも」と誤解される可能性があるので注意してください。

また、同性同士でも欧米では、強く握手をすることが信頼感を表しますが、マレーシアの握手は指先で軽く握手をした後に、その手で自分の左胸に軽く触れます。

お祈りの時間に配慮しましょう

日没後1時間は夕方のお祈りの時間になります。日が落ちてから、イスラム教の友達宅への突然の訪問や電話は避けた方がよいでしょう。

また、ラマダンの間は日の出から日没までの時間、飲食や喫煙を絶ちます。イスラム教ではない日本人にラマダンはありませんが、ラマダンの間はイスラム教徒の気持ちを考え、食事や喫煙の配慮をするとよいでしょう。

寺院でのルール

イスラム寺院(モスク)では、ミニスカートやタンクトップなど肌の露出が多い服装が禁じられています。女性用のスカーフの無料貸し出しを寺院では行っているので、上からスカーフを羽織り寺院へ入ります。

また、男性の場合はサングラスや帽子をつけて寺院へ入ることも好ましくありません。

イスラム教やヒンドゥー教の美しい寺院はマレーシアの観光地としても人気のスポットではありますが、寺院は礼拝のための厳粛な場所。お祈りをしている場所で、大きな声を出したりしないよう、参拝者の迷惑にならない行動を心がけてください。


さて、本記事で日本と異なるマナー・ルールを知っていただけたかと思います。

中には、難しそうだと思われる方もいるかもしれませんが、イスラム教の人々は世界の4分の1を占め、ヒンドゥー教はイスラム教に続き世界3位の宗教人口となっています。

実は、仏教徒の人口はヒンドゥー教(9億1360万人)の半分以下しかいません。

グローバル化が進み、多様な国籍・文化を持つ人々の距離がどんどん近くなります。マレーシア留学・旅行を通じて世界中どこでも通用する文化的理解を身に着けてみてはいかがでしょうか?

マレーシアのマナーまとめ
・宗教によって食のタブーがある

・握手や食事のときは右手を使う

・子どもの頭を撫でてはいけない

・指さしは右手の親指を使う

・握手のマナーは日本や欧米と異なる

・お祈りの時間やラマダンに配慮をする

・観光名所の寺院で大きな声をださない

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